割り箸鉄砲VSハエ
春のせいか朝から部屋の中にハエが一匹飛んでいる。
ブンブンと音をたて飛行するたんぱく質の塊は僕を挑発してるように見えた。
殺虫剤でしとめてやりたいがそれじゃセンスが無い。
僕は悩んだ。
時計の秒針の音が静まり返った部屋に鳴り響く。
その時、ある映画が脳裏によぎった。
昆虫型宇宙生物と人間が武器を用いり戦う映画だ。
「そうか、武器で戦えばいいのか」
そう思い、割り箸鉄砲を作ることになったのだった。
100円ショップに駆け込み、買った材料がこちら
そして武器を作るには設計図だ。そう思い急いで設計図を書く。
まずは先端の部分から作り上げる。
強度を上げるためには三つにしろと幼い頃に「三匹のこぶた」で学んだので三つをセメダインでくっつけた。
だが、その選択が過ちを犯すのであった。
見ていただきたい。この三匹のこぶたのヒズメにも似た指を。
そう。くっついたのだ。
ハエをやるまえに自分が接着剤にやられたのだ。
情けない。
このままではいくら指があっても足りないのでセメダイン将軍には退いてもらって木工用ボンド大尉を投入。
そして引き続き作成に移る。
だんだんと骨格が出来上がってきた。
そして取っ手を二つ。
横にも一つ。
ついに完成した。対ハエ用殺戮銃。
だが完成した頃にはハエの姿は見えなく。耳を澄ませても羽音は消えていたのだった。
これでは、作った意味が。時間が。意味が無い。
そして何より
邪魔なのである
ということで次の刺客が現れるまでこいつには押入れで眠ってもらうことになったのである。
また会う日まで。ハエ用殺戮銃。