あの頃マットの上で
小学生の頃夢中でやっていた遊びがある。
その名はエチプロ
陸上競技の高飛びで使う緑のマットを使いその上でプロレスをするのだが、何故エチプロという名というかというと。
フォール技をエビ固めなどのプロレス技では無く、四十八手でやるエッチなプロレスからきている。
この過激なプロレス、誰が考えたかは定かでは無いが小学生の考える遊びでは無いことは確か。
まず普通に取っ組み合いから始める。
ここまでは普通のプロレスとなんら変わりは無い。
だが、カウントを取るころには四十八手の「松葉くずし」などの体勢へ。
そして、「入ってる!入ってる!」という謎のギブコール。
もはや鬼畜。
これを見ていた女子はどんな心境であっただろうか。
「私もやりたいわ」
なんて思っていないのは確かではある。
そんな冷たい視線にもめげず、あの頃の僕らは
「いつかこれを女性としたいな!」
などとくだらない事で盛り上がっていた。
「男子って子供よねー」
というお決まりの女子の言葉すら霞んで聞こえる下の方で大人びたくだらない遊び。
本当に馬鹿だった。
だが、この遊びをまたあの頃の友と会ってエチプロをしたいかと聞かれたら僕はこう答えるだろう。
もちろんだ友よ。
何故なら共にマット上で戦った戦友なのだから。
(脳内BGM スタンドバイミー)