尻、棘、夏の空 ぱーと1
題名を何を意識して書いたかわかったらたいしたもの。
中学生の頃僕はサッカー部に所属していた。
ポジションといえばベンチ。
あまり練習をしなかったせいもあるがサッカー部に入部した理由もふざけた理由なのでいつになってもレギュラーはこの手に掴めなかった。
そんな中学生の僕に起きた出来事。
暑い夏の日。
サッカー部一同で合宿をすることになった。
しょうもない理由で入部した僕にとっては練習はとてつもなく嫌なもの。
やれロードワークだ
やれシュート練習だ
とにかく中学のマキサトル少年には全て辛く、サボり友達と木陰を探して談笑していた。
合宿二日目
悲劇が起きた。
いつものようにこっそり抜けてサボり友達と涼める場所を求め彷徨う少年たち。
「ここにベンチあるからここで休もうぜ」
こんなセリフ、口から吐いてはいないと思うが心で感じ取る少年たち。
これがテレパシーってやつなのかも知れないし、阿吽の呼吸とも言うのかも知れない。
多分童貞特有のテレキネシスだろう。
そのベンチに座った途端僕は違和感を覚えた。
犬に噛まれたような。
つねられたような。
ふと立ち上がり、違和感のあるお尻に触れてみると鮮血が滴っていた。
突然のことにパニくるマキサトル少年。
考えた。
だれかに撃たれたんじゃないかと。
中学生の男子というのは馬鹿なもので授業中に
突然テロリストが学校を占拠する妄想をするものなのだ。
僕もそんな妄想ばかりしていた。
そして突然訪問してきたパニックとやらのせいで妄想と現実の区別もつかなくなっていたのかも知れない。
パニくりながらも友達にお尻を見せ
「なにかにやられた!」
と説明する僕。
「おい!トゲ刺さってるぞ!」
友達のこの言葉に一瞬耳を疑った。
でも確かに触れてみると何かが刺さっている。
「このままではやばい!」
そう思い、勢いよく抜くとそこには
血だらけの爪楊枝ほどのトゲ。
焦りに焦ったが、もう抜けたと思い安心しきっていたマキサトル少年。
でも恐怖はここからなのです。
後半に続く。